PISA(ピサ)とは何の略?対象年齢や日本の結果も紹介

ニュースや教育の記事で見かける「PISA(ピサ)」という言葉。これは、世界の15歳の子どもたちが、学んだ知識を実生活でどのくらい使えるかを調べる国際的な学力調査のことです。経済協力開発機構(OECD)が実施していて、日本も参加しています。

『ひとやすみっけ』のかおかーさんです。PISAは国ごとの学力ランキングとして紹介されることも多いですが、調べてみると順位だけではわからないことがたくさんありました。名前の意味からテストの内容、2025年の日本の結果まで、わかりやすく整理してみますね。

目次

PISAとは?読み方と名前の意味

PISAは「ピサ」と読みます。英語の「Programme for International Student Assessment」の頭文字を取ったもので、日本語では「生徒の学習到達度調査」と呼ばれています。OECDが中心となって実施する、世界規模の教育調査です。

名前だけ聞くと、なんだか難しい試験のように感じますよね。でも、目的は意外と身近です。子どもたちが学校などで身につけた知識を、社会のさまざまな場面でどのように使えるのかを調べています。

PISAが始まったのは2000年。国や地域によって教育制度が違っていても、同じ年齢の子どもたちを対象にすることで、学びの状況を国際的に比較できるようにしています。

読み方

ピサ

正式名称

Programme for International Student Assessment

日本語での名称

生徒の学習到達度調査

実施する機関

OECD(経済協力開発機構)

PISAは何を調べるテストなの?

PISAで中心になるのは、読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシーの3分野です。ここで気になるのが「リテラシー」という言葉。単に知識があるという意味ではなく、学んだことを理解し、活用する力を指しています。

例えば、計算問題を解けることと、その計算を買い物や生活の問題に使えることは少し違いますよね。PISAでは、知識を覚えているかだけでなく、状況を読み取って考えたり、判断したりする力も重視しています。

3つの分野で調べている内容を、身近な場面に置き換えてみました。実際の出題内容をそのまま再現したものではありませんが、PISAが大切にしている考え方をイメージしやすくなると思います。

分野調べる力身近な例
読解力文章を理解し、情報を評価する力複数の情報を読み比べて判断する
数学的リテラシー数学を使って問題を考える力料金や距離を比較して選ぶ
科学的リテラシー科学的な根拠をもとに考える力実験結果やデータから結論を考える

学校のテストとは何が違う?

学校のテストなら、授業で習った漢字や計算、理科の用語などが出題されますよね。一方、PISAは特定の教科書をどこまで覚えたかを確認する試験ではありません。学んだことを初めて見る問題にも応用できるかがポイントになります。

例えば、学校では割合の計算方法を学びます。PISAでは、その考え方を使って複数の商品を比較したり、資料に示された数字の意味を考えたりするような問題が出されます。暗記だけでは答えにたどり着けない場合もあるんです。

ただし、PISAが学校のテストより優れているということではありません。学校のテストには授業内容の理解を確かめる役割があり、PISAには教育の成果を国際的に比較する役割があります。そもそも目的が違うんですね。

かおかーさん

知識を覚える力と、使う力。どちらも学びには大切なんですね

PISAを受けるのは何歳?日本では誰が対象?

PISAの対象は、基本的に15歳の生徒です。正確には、調査時点で15歳3か月から16歳2か月までなどの条件があり、一定期間以上の学校教育を受けている生徒が対象となります。学年ではなく年齢を基準にしているのが特徴です。

日本では高校1年生の年齢にあたる生徒が主な対象です。ただし、全国の高校1年生全員が受けるわけではありません。調査の対象となる学校と生徒が選ばれ、その結果を統計的に分析します。

2025年の調査では、世界91か国・地域から76万人以上が参加しました。日本では183校の6,554人が調査を受けています。かなり大規模な調査ですが、一人ひとりの成績を競う全国一斉テストとは性格が異なります。

PISAは何年ごとに行われるの?

PISAは2000年に始まり、原則として3年ごとに実施されてきました。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響などを受け、2021年に予定されていた調査は2022年へ、2024年に予定されていた調査は2025年へ変更されています。

毎回同じ内容を調べるだけではなく、3つの中心分野のうち1つを重点的に調査します。2022年は数学的リテラシー、2025年は科学的リテラシーが中心でした。重点分野を変えながら、長期的な学力の変化も調べています。

さらに、社会の変化に合わせて新しい分野が追加されることもあります。2025年調査では、デジタル環境で学ぶ力に関する調査も実施されました。AIやデジタル技術が身近になった時代ならではのテーマですね。

日本のPISAの結果は?2025年調査を紹介

日本の子どもたちの学力は、世界と比べてどうなのでしょうか。2026年9月8日に公表されたPISA2025の結果を見ると、日本は読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシーの3分野すべてでOECD平均を上回りました。

数字だけだと少しわかりにくいので、日本とOECD平均を並べてみます。下の表は2025年調査の平均得点です。なお、これは国全体の傾向を見るための数値であり、個々の生徒の成績を表したものではありません。

分野日本OECD平均
読解力503点461点
数学的リテラシー525点463点
科学的リテラシー538点482点

ただ、過去と比べると少し違った景色が見えてきます。2022年調査との比較では、数学と科学の平均得点に統計的に有意な変化はなく、読解力は低下しました。高い水準を保っていることと、変化がないことは別なんですね。

日本の順位が高ければ教育は安心なの?

PISAの結果が発表されると、どうしても国ごとの順位に目が向きます。でも、順位が高いからすべての子どもが順調に学べている、とは限りません。平均得点は全体の状況を示すもので、子ども一人ひとりの様子までは表せないからです。

2025年の日本の結果でも、得点が高い生徒と低い生徒の間の差が、2022年より広がったと報告されています。平均点だけを見ていると気づきにくい部分ですよね。どのくらいの子どもが学習上の難しさを抱えているかも、大切な視点です。

わたしは、こうした調査を読むとき、順位だけでなく「学びに困っている子はどうなっているのかな」という点も気になります。国全体の成績が良いことと、すべての子どもに合った学び方が用意されていることは、同じではありません。

PISAの結果からわかること・わからないこと

PISAでは学力調査に加えて、生徒の学習環境や学校生活に関する質問も行います。例えば、学校での学習経験や学習に対する意識などです。こうした情報を組み合わせることで、得点の違いと学習環境との関係を調べられます。

一方、PISAの結果だけで、ある教育方法が必ず効果的だと証明できるわけではありません。国によって生活環境や教育制度が違い、結果にはさまざまな要因が関係します。点数の高い国の取り組みを、そのまま取り入れればよいという単純な話でもないんです。

また、PISAは子どもの能力すべてを測る調査ではありません。芸術的な表現力、運動能力、人との関係を築く力など、テストの得点だけでは捉えきれないものもあります。結果は大切な資料ですが、それが学びのすべてではないんですね。

PISAと子どもたちの普段の学びはどうつながる?

PISAが大切にしている「学んだ知識を生活の中で使う」という考え方は、家庭でもイメージしやすいものです。例えば、お店で値段を比べたり、ニュースの情報を読み取ったり、身近な疑問について理由を考えたりすることも、学びにつながります。

もちろん、こうした活動をすればPISAの点数が上がると証明されているわけではありません。でも、知識を覚えるだけではなく、「どうしてそうなるんだろう?」と考える機会があるのは面白いですよね。教科書の外にも学びのきっかけはあります。

子どもによって、得意なことや理解しやすい方法は違います。文章を読むことが得意な子もいれば、実物を見たり、話を聞いたりする方が理解しやすい子もいます。PISAの結果と個人の学び方を混同せず、それぞれの良さを見ていきたいところです。

PISAと一緒に知っておきたいOECDとは?

PISAについて調べると、必ずといってよいほど登場するのが「OECD」という言葉です。これは「経済協力開発機構」のこと。各国の経済や社会、教育などについて調査や分析を行い、政策づくりに役立つ情報を提供しています。

教育の分野では、国ごとの学習状況や教育環境を比較することも重要な仕事です。PISAはその取り組みの一つで、調査結果は各国が教育の現状を考えたり、課題を見つけたりする際の資料として使われています。

ちなみに、PISAへの参加はOECD加盟国だけに限りません。加盟していない国や地域も参加しているため、世界の幅広い教育状況を比較できます。「OECDの調査だから加盟国だけ」というわけではないんです。

PISAの意味がわかったら、結果の見方にも注目してみよう

PISAは、15歳の子どもたちが知識をどのように活用できるかを調べる国際的な学力調査です。学校で習ったことを覚えているかだけでなく、考える力や判断する力にも目を向けているのが特徴です。

2025年調査では日本は3分野すべてでOECD平均を上回りました。一方、読解力の低下や生徒間の得点差など、気になる点も見えてきています。国の順位だけでなく、結果の中身まで見ると、教育の現状を少し違った角度から考えられそうです。

PISAのニュースを見かけたら、ぜひ「何位だったか」だけでなく、「どんな力を調べて、何がわかったのか」にも注目してみてください。子どもたちのこれからの学びを考える、小さなきっかけになるかもしれませんね。🌱

この記事の内容は、公開時点で確認した情報をもとにしています。内容は変更される場合があるため、必要に応じて公式情報や各サービスの案内もあわせてご確認ください。

かおかーさん

この記事を書いている人

こんにちは、「ひとやすみっけ」を運営するかおかーさんです。子育てをしながら、家族で楽しめるお出かけ先や、毎日の暮らしに役立つ情報を集めています。埼玉南部の身近な話題から、子どもたちが好きなもの、大人もちょっと気になるものまで。「これ、よさそう!」と思える発見を、わかりやすくお届けします。

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