子どもの目を守るためにブルーライトカットメガネの必要性は、現在の研究では十分に裏付けられていません。日本の眼科関連6団体も使用に慎重な意見を出しています。ただし、かけると必ず目や発達に悪影響が出ると証明されたわけではありません。
『ひとやすみっけ』のかおかーさんです。学校でも家庭でも画面を見る機会があると、何か対策をしてあげたくなりますよね。2026年10月26日時点で確認した学会の見解と研究から、購入前にも使用中にも知っておきたい点をまとめます。

学会が使用に慎重な理由
ブルーライトは目に見える光の一部で、太陽光にも含まれます。日本眼科学会など6団体は2021年4月、通常の画面からの光を過度に恐れる必要はなく、子どもへのブルーライトカット眼鏡を勧める根拠はないとする見解を公表しました。
見解では日中の自然光の大切さにも触れ、不要な光の制限が発育に影響する可能性を懸念しています。一方、この文書は子どもに長期間かけさせて発達への害を直接確かめた実験の報告ではありません。
そのため「子どもに必須の対策」とも「使った子は近視になる」とも言い切れません。購入するかを考える際は、効果を期待して日常的に使わせる十分な根拠があるか、という点から判断したいところです。
出典:眼科関連6団体「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」(2021年4月14日・PDF)
目の疲れを防ぐ効果は未確立
研究をまとめて評価するコクランが2023年に公表したレビューでは、成人619人が参加した17件の比較試験を検討しました。通常のレンズに比べて、パソコン使用時の短期的な目の疲れを軽くする利点はない可能性が示されています。
ただし、研究の観察期間は1日未満から最長5週間で、対象も成人です。子どもが何年も使った場合の安全性や発達への影響まで分かった研究ではありません。睡眠の改善についても結果は一致せず、効果は不確かでした。
商品に書かれたカット率も、その割合だけ目の疲れや近視のリスクが減るという意味ではありません。光をどのくらい減らすかという製品の性能と、子どもの健康にどんな利益があるかは、別に確かめる必要があります。
出典:コクラン「ブルーライトフィルター付き眼鏡レンズ」の研究レビュー
寝る前は画面を休む時間を
夜の光と睡眠には関係があります。ただ、寝つきが悪いときに眼鏡だけで解決できるとは限りません。動画やゲームで就寝時刻が遅くなっていないか、布団に入ってからも端末を見ていないかを一緒に確認したいですね。
米国小児科学会の保護者向けサイトは、寝る1時間前から画面を避けることを勧めています。例えば21時に寝るなら20時を区切りにする。眼鏡をかけて夜更かしを続けるより、眠る時間を確保する使い方を考えてみましょう。
宿題にタブレットが必要な日もありますよね。毎晩完璧に守ることを目標にするより、先に必要な作業を終える、充電場所を寝室の外にするなど、家庭で続けられそうな方法を子どもと決めておくと取り組みやすそうです。
参考:米国小児科学会 HealthyChildren.org「子どもの目に画面から離れる休憩を」(英語)
UVカットや医療用眼鏡とは役割が違う
ブルーライトカットと紫外線を防ぐUVカットは同じ機能ではありません。また、度数のある眼鏡には視力を矯正する役割があります。ひとつのレンズに複数の機能が付く場合もあるため、何のために使う眼鏡かを整理しましょう。
| 種類や機能 | 主な役割 |
|---|---|
| ブルーライトカット | 目に見える光のうち青色成分の一部を減らす |
| UVカット | 紫外線を減らす |
| 度数のある眼鏡 | 近視や遠視などに合わせて見え方を補う |
| 医療用の遮光眼鏡など | 医師の判断でまぶしさや症状に関係する光を調整する |
関連する2026年8月の学会見解では、目の病気や片頭痛、感覚過敏などのために遮光眼鏡や色付きレンズが必要な子もいると説明しています。一般的な画面対策の話を、その子に必要な配慮をやめる理由にしないことが大切です。
屋外活動を増やす場合も紫外線対策は続けて構いません。同見解では、帽子や日陰、UVカット眼鏡などを利用しても屋外の明るさは確保できるとしています。光を取り入れるために強い日差しを我慢する必要はありません。
出典:日本眼科学会など「児童生徒のサングラス・カラーレンズ等の使用に関する見解」(2026年8月21日)
画面との距離と休憩を見直す
画面を見て目が疲れる原因は、ブルーライトひとつに絞れません。米国小児科学会の解説でも、長時間見続けることによる負担や、まばたきが減ることで起こる目の乾きが挙げられています。使い方全体を見てみましょう。
日本眼科医会の教材では、画面から30cm以上離れ、30分見たら20秒以上遠くを見て休むことを案内しています。文字が小さくて顔が近づくなら表示を拡大するなど、離れても読みやすい環境を整えることが先です。
まずは画面との付き合い方から
① 距離をとる
目と画面は30cm以上
文字は読みやすい大きさに
② 途中で休む
30分見たら
20秒以上遠くを見る
③ 夜は区切る
寝る1時間前を目安に
画面から離れる
日本眼科医会の教材をもとに作成した目安です。症状があれば無理を続けず休憩や受診を優先してください。
休憩中に別のスマホへ持ち替えると、近くを見続ける時間は終わりません。窓の外の遠くの景色を見る、席を立ってひと息つくなど、目を画面から離す休み方に。親子で一緒に休憩すると声もかけやすくなりそうです。
参考:日本眼科医会のデジタル端末と目の健康に関する教材活用マニュアル(PDF)
すでに使っている場合は
これまで使っていたことだけで、子どもの目を傷めたと決めつける必要はありません。まずは度数の有無、購入した目的、医師からの指示があるかを確認してください。商品名だけで判断せず、レンズの説明も見ておきましょう。
視力矯正や弱視治療などに必要な眼鏡は、ブルーライトカット機能が付いていることだけを理由に外さないでください。弱視や斜視の子どもにとって眼鏡は大切な治療だと、関連学会も説明しています。レンズの変更は眼科で相談しましょう。
度のない画面対策用を自己判断で使っているなら、何を改善したくて選んだかを振り返るところから。本人が楽だと感じる場合も、その感覚は聞きながら、近視予防など別の効果まで保証されたものとは考えないようにしましょう。
参考:関連学会「弱視や斜視の子どもの眼鏡装用等に関するお願い」(PDF)
見えにくさが続くときは眼科へ
画面を休んでも目の痛みや頭痛が続く、文字がぼやけるといった場合は眼科で相談してください。眼鏡を買い足す前に、見え方や目の状態を確認してもらうことが大切です。学校の健診で受診を勧められた場合もその案内に従いましょう。
相談時は「タブレットで宿題を始めて何分くらいでつらくなるか」「紙の本でも同じか」など、困る場面を伝えると話しやすくなります。使っている眼鏡とレンズの説明書も持参すれば、今の使い方を含めて相談できます。
かおかーさん「ちゃんと離して見てね」の前に、離れると見えにくくないかも聞いてあげたいね
買い足す前にできることから
子どものために何かしてあげたいと思って選んだ眼鏡なら、情報を知って戸惑うのも自然なこと。今までの選択を責めるより、これからの使い方を見直せれば十分です。必要な治療は続けながら、分からない点は眼科で確認していきましょう。
今日は画面の文字を少し大きくする。次の休憩は一緒に窓の外を見る。そんな小さな工夫もできます。子どもが学んだり遊んだりする時間を大切にしながら、目も休められる習慣を家族で見つけていけるといいですね。
※2026年10月26日時点で確認した学会の公開資料と研究に基づく一般的な情報です。個別の眼鏡の必要性や使い方は、子どもの目の状態に合わせて眼科医にご相談ください。
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