ユースクリニックは、若い世代がからだやこころ、性について専門家に相談できる場所です。生理や避妊の悩みだけでなく、家族や友人との関係などを相談できる窓口もあり、病気かどうかわからない段階でも利用できます。
『ひとやすみっけ』のかおかーさんです。「親には話しにくい」「病院で何をされるのか不安」という気持ちも、相談先を選ぶうえで大切なこと。利用条件と相談の流れ、川口市やさいたま市での取り組みを紹介します。
ユースクリニックは若者が相談できる場所

「クリニック」と聞くと診察室を思い浮かべますが、日本には医療機関での相談窓口のほか、商業施設や公共施設で開くイベントもあります。まず知っておきたいのは、名前だけで診察や薬の処方まで受けられるとは限らないことです。
対象年齢も全国一律ではありません。東京都の事業は都内在住・在学・在勤の25歳未満が対象ですが、医療機関ごとに年齢や性別の条件があります。一方、川口市の開催案内では、子どもから大人までの参加を呼びかけています。
性のことを知りたいだけでも、利用目的になります。「困りごとを全部説明できるようになってから」と待つ必要はありません。自分が利用できるか迷ったら、年齢と相談したい内容を短く伝えるところから始められます。
生理や避妊だけでなく人間関係の悩みも相談できる
相談内容は窓口によって異なりますが、からだの変化、生理、妊娠への不安、避妊、人間関係などが入口になります。「どの診療科に行けばよいのか」「この程度で受診してよいのか」という迷いも、そのまま伝えて構いません。
| 相談したいこと | 伝え方の例 |
|---|---|
| 生理やからだの変化 | 生理痛で学校を休むことがある 自分のからだの変化が気になる |
| 避妊や妊娠への不安 | 避妊について正しい知識を知りたい 妊娠したかもしれず不安がある |
| 交際相手との関係 | 相手に嫌だと言いにくい 自分の気持ちをどう伝えたらよいかわからない |
| 家族や友人との関係 | 身近な人に話しづらいことがある 誰に頼ればよいかわからない |
たとえば「生理痛がある」だけでなく、「痛くて授業に集中できない」「毎月部活を休む」と伝えると、暮らしへの影響がわかります。相談は悩みの大きさを比べる場ではなく、自分に必要な助けを一緒に考えるためのものです。
相談と診察の違いを知っておこう
相談では、専門職が話を聞き、情報を伝えたり、必要な受診先を案内したりします。東京都のユースクリニックは相談事業で、いきなり検査を行わないと明記されています。相談無料でも、その後の検査や治療には費用がかかる場合があります。
医療機関の「ユース外来」では、症状に応じて診察や検査、治療を行います。埼玉医科大学かわごえクリニックは、ユース外来で原則内診を行わず、必要な検査を説明すると案内しています。これは同院の方針で、すべての施設に共通する決まりではありません。
検査が心配なら、受付や診察の最初に伝えて大丈夫です。「何のための検査ですか」「どのように行いますか」と聞き、説明を受けてから考えましょう。相談のつもりで来た場合も、その希望を最初に共有すると話が進めやすくなります。
親への連絡や秘密の扱いは最初に聞いてよい
「親や学校に知られるのでは」と不安に感じる人もいると思います。東京都の事業では、本人の同意なく家族や学校へ相談内容を伝えないと説明しています。ただし、からだや命に危険があると判断したときなどには、関係機関と情報を共有する場合があります。
匿名相談の可否、保護者の同伴や同意、診療に進んだ場合の手続きは、利用先や内容によって異なります。「一人で相談できますか」「家族へ連絡するのはどんな場合ですか」と、詳しい事情を話す前に尋ねても構いません。
連絡方法にも希望を伝えましょう。たとえば「自宅への電話は困る」「留守番電話に内容を残さないでほしい」などです。希望どおりに対応できるか窓口と相談し、検査結果や予約変更の連絡をどう受け取るかも決めておくと安心です。
かおかーさん何を相談するかだけでなく、安心して話せるかどうかも大事にしたいですね
初めての相談は短いメモから始めよう
予約が必要な窓口なら、対象年齢と受付日時、相談料、持ち物を先に確かめます。症状がある場合は、いつから続くか、学校や生活で何に困るか、使用している薬などをメモしておくと、緊張して言葉が出なくても伝える助けになります。
相談までの流れ
① 利用できる窓口を探す
年齢・地域・相談内容が対象に合うか確認する
↓
② 費用と秘密の扱いを確認する
予約の要否や保護者同伴の条件も尋ねる
↓
③ 話せるところから相談する
困っている場面や知りたいことを伝える
↓
④ 次に必要なことを一緒に考える
情報を持ち帰る・継続相談する・医療機関を受診する
相談例としては、「生理のたびに学校を休むので、病院へ行くべきか知りたい」「交際相手とのことで困っているけれど、うまく話せない」でも十分です。話したくないことや、付き添いの人には聞かれたくないことがあれば、それも伝えられます。
川口市とさいたま市で参加できるユースクリニック
川口市では、2026年11月15日にイオンモール川口前川で開催予定です。保健師や助産師などへの相談に加え、性教育の本や生理用品などの展示、体験コーナー、ミニ講座が案内されています。買い物先で学ぶ機会を持てる取り組みです。
さいたま市の「希望(ゆめ)たまユースクリニック」も、展示や専門家への相談などを行うイベントです。2026年10月18日時点で案内されている開催予定を下表にまとめました。会場は毎回同じではなく、常設の診療所ではありません。
| イベントと開催日時 | 会場 | 費用と申込 |
|---|---|---|
| ユースクリニックin川口市 2026年11月15日(日) 11時〜14時 | イオンモール川口前川 2階サイボーホールB 川口市前川1丁目1-11 | 無料・申込不要 対象は川口市在住の方 |
| 希望たまユースクリニック 2026年11月28日(土) 12時〜17時 | 埼玉大学むつめ祭 全学講義棟1号館裏 さいたま市桜区下大久保255 | 無料・申込不要 |
| 希望たまユースクリニック 2026年12月13日(日) 13時〜17時 | 大宮図書館1階「氷川の杜ひろば」・大宮区役所2階「201・202会議室」 さいたま市大宮区吉敷町1丁目124番地1 | 無料・申込不要 |
展示を見る時間と、個人的な悩みを話す時間では、必要な環境が違います。周囲に聞こえない場所で相談したい場合は、スタッフに個別相談の場所を尋ねてみてください。開催内容や変更の有無は、来場前に自治体の公式案内で確認しましょう。
開催日を待たずに相談する方法もある
イベントの日程が合わないときは、埼玉県の「プレコンセプションケア相談センター埼玉ぷれたま」も選択肢です。助産師が電話で、思春期の心身や性に関すること、将来への不安などの相談を受けています。妊娠を希望する人だけの窓口ではありません。
ぷれたまの電話相談
電話:048-799-3613
金曜日:10時〜15時
第1〜第4土曜日:11時〜15時・16時〜19時
祝日・休日・年末年始を除きます。
2026年10月18日確認。県の案内では、電話番号を通知してかけるよう求めています。受付日時は変更される場合があります。
診察が必要なときには、埼玉県が掲載する「思春期の性に関する相談・指導のできる医療機関」の一覧も参考になります。県は医療情報ネットで「思春期外来」と検索する方法も案内しています。年齢や症状に対応できるか、受診先へ問い合わせてください。
避妊の失敗などで緊急避妊が必要かもしれない場合は、イベント開催日を待たず速やかに対応する医療機関へ相談してください。強い痛みや多量の出血などがある場合も、相談会の予約より医療機関への受診を優先しましょう。
相談できる相手が家の外にいても大丈夫
保護者としては、悩みがあるなら話してほしいと思うこともありますよね。それでも、身近な相手だからこそ言いづらいことはあるもの。「必要なら一緒に行くよ」「一人で話したいなら待っているよ」と、本人が選べる声かけを大切にしたいです。
わたしは、子どもが頼れる大人を家の外にも見つけられることは、心強いことだと思います。相談後も内容をすべて聞き出そうとせず、「手伝ってほしいことはある?」と尋ねる。そんな関わり方も、次に困ったときの話しやすさにつながりそうです。
悩みをうまく説明できなくても、自分の気持ちがまだ決まっていなくても大丈夫です。「少し聞いてみたい」と思った気持ちを大事にしてください。あなたのからだやこころのことを、あなたのペースで考えるために、頼れる場所を使ってほしいです。





